トオルさんに飼われ始めた頃のトオルさんの躾けはとても厳しくて
僕はまだまともに食卓につかせてもらえなかった。
初飼い時期(飼い初め)の子飼いに与えられる食事は
服従訓練の一環として与えられるものだから
何もせずただ食べさせてもらえるなんてことはまずなくて
何かの命令を受けて、そこで嫌な顔一つ見せずに従って
主人を満足させることができたらやっとご褒美としてもらえるものだった。
怒らせちゃって罰として抜かれることもしょっちゅうあって・・・。
そんなわけだったからもらえる食事は
ほとんど食事としての体裁なんて整ってなくて
トオルさんの食べ残しだったり(わざと多めについで残してくれるんだけど)
床に置かれたお皿に入れられた餌状態だったり・・・いつだって冷め切ってるし。
店にいた時でさえ人の食べ残しなんて食べさせられたことなかったし
床に這って食べるなんて想像したこともなかっただけにものすごくショックで
それをありがたくいただくには抵抗感が強かった。
だけど・・・僕はその食事を
ものすっごくおいしいものだと感じていた。
嫌なんだけど、空腹だってことを差し引いても本当においしい。
こんなおいしいもの初めて食べたって思うくらい
ものすっごくおいしいと感じた僕は
なんだかいろんなことを・・・錯覚していった。
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