怒ったトオルさんが僕の目の前で僕の歯ブラシを捨てた。
普段は虫歯にならないように
きちんと毎食後歯磨きをするよう言われてたんだけど。
・・・罰で虫歯になれってこと?
僕はそう思った次の瞬間、別の可能性に気づいて怖くなった。
そしてそれはあたった。
「お前にはもう食事は与えない」
「何も食べさせないからそう思え」
僕はその後、2週間絶食の懲罰を受けた。
2週間全く、飲む物も食べる物ももらえなかった。
栄養は点滴とか注射とかそれからチューブとか、
あと別の・・・他の方法で与えられた。
与えられる時も苦しかったから今はあまり詳しく書きたくない。
いつかまた、どこかで書けたらとは思うけど。
僕のカロリー管理はちゃんとされてたみたい。
会は僕らを担当する医者にあたる人たちを抱えているから。
全く何も食べなくても飲まなくても毎日動くことができた。
いつも通りに僕に与えられた仕事をしなきゃいけなかった。
だけど、理屈から考えたら不思議なことだから
そんなことないだろうって言われそうだけど
僕はものすごく飢えた。
食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい何か食べたい
飲みたい飲みたい飲みたい飲みたい飲みたい水が飲みたい。
食べたくて飲みたくてたまらなくてものすごく苦しかった。
TVなんかで食べ物の映像が出てくると苦しかった。
新聞の間に挟まった広告を見るのも苦しかった。
トオルさんの食事の給仕をしなきゃいけないのが何よりも辛かった。
これ、今朝の夢・・・。
思い出すと当時より辛かった気がするのはなんでだろう。
僕は毎日、毎食、トオルさんの食事の臭いをかぎながら
トオルさんが食べるのを見ながら
今日は残してくれるだろうか
少しだけなら残してくれないかなと思いながら過ごした。
その頃にはもう、食べ残しじゃなくて僕用の食事があった頃なのに
この時はトオルさんの食べ残しをものすごく切なく求めてた。
僕のための食事がもらえたなんてありえないことだったように思えてた。
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